日々研究所 学びと挑戦を支える仕組みづくり 地域から「能動者」を輩出へ

足りなかったのは、人ではなく、「やってみてもいい」という空気だった--。長崎県東彼杵町で地域づくりに取り組む森一峻氏は、挑戦を支える環境の大切さを説く。森氏が代表を務める日々研究所では、自分の思いを言葉にし、行動へとつなげる仕組みを開発。培った知見を企業や教育現場へ広げる。

足りなかったのは、人ではなく
「やってみてもいい」という空気

森 一峻

森 一峻

日々研究所株式会社 代表取締役
一般社団法人 東彼杵ひとこともの公社 代表理事
長崎県東彼杵町出身・在住。地元東彼杵町へUターンし、東彼杵町を中心に長崎県の地域コーディネーターとして住民と連携した地域・文化づくりに取り組む。交流拠点「Sorrisoriso千綿第三瀬戸米倉庫」「uminoわ」の運営や、地域編集サイト「くじらの髭」での情報発信を手掛け、周辺の古民家を活用した店舗・拠点づくりも支援。日々研究所株式会社 代表取締役、一般社団法人 東彼杵ひとこともの公社 代表理事を務める。

大村湾に面した長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)町は、そのぎ茶の産地として知られる人口約7000人の町だ。森一峻氏は東彼杵町の酒屋に生まれ、高校卒業後、コンビニエンスストア本部での勤務を経て、2008年にUターンした。帰郷後は、コンビニに転換していた家業を経営した。「経営者になったことで、町の現実に気づいたのです」と森氏は振り返る。

地域に目を向けると、千綿地区に残る旧農協の米倉庫が解体されると知った。酒蔵や活版印刷所など、町の文化を担う建物も姿を消していた。

「経済と文化が両方なくなっていく状況でした。それなら自分たちで使ってみようと考えたんです」

倉庫は改修され、2015年に交流拠点「Sorrisoriso(ソリッソリッソ)千綿第三瀬戸米倉庫」として再生された。拠点ができると起業を志す人が動き出し、その後5年ほどで町に約20店舗が開業したという。

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