探究活動で育むのは、予測不能な未来を生き抜くための普遍的な力

堀川高等高校は、1999年に人間探究科と自然探究科を新設。1期生卒業の2002年、国公立大の現役合格者が、前年の6人から106人に激増した。教育界で「堀川の奇跡」と呼ばれるこの現象の要因の1つには、同校独自の「探究基礎」という授業が挙げられる。その内容と意義とは。

「堀川の奇跡」を生んだ、「探究基礎」とは

──御校の特徴であり、全国の教育関係者から注目されている「探究基礎」とは、具体的にどのような授業ですか。

橋詰 忍

橋詰 忍

京都市立堀川高等学校 校長
京都府出身。1995年に堀川高等学校英語科教諭として着任し、以降、進路指導主事、統括室長、主幹教諭などを歴任。2017年、京都市教育委員会副主任指導主事として、文部科学省初等中等教育局教育課程課に1年間勤務。2018年に堀川高等学校教頭、2019年に紫野高等学校教頭を経て、2020年より現職。

本校では、探究を「答えの用意されていない問いに対して、自らの答えを導き出していく営み」と定義しています。「探究基礎」の授業は、1年生の4月から2年生の前期である10月までの1年半をかけて、週に1回2時間の「総合的な探究の時間」の一部などとして行います。この1年半を3つの段階に分け、私たちはそれぞれを HOP・STEP・JUMP と呼んでいます。

まず、1年生の前期に行う HOP ですが、この期間では、探究する上での基礎となる知識・技能を学びます。課題設定をして活動を進めていくためには、まず…

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