個人と組織がつながり、目的に向かう。コーチングを通じたリーダーシップ開発

VUCA時代のコーチングの可能性を紐解く本連載。第五回は、組織開発の専門家としてさまざまな企業支援を行なう松村憲さんが登場。VUCA時代の組織に必要とされるリーダーシップとは何か、また組織のリーダーシップ開発の現場でコーチングがどのような効果をもたらすのか、話を聞いた

VUCA時代に
求められるリーダーシップ

松村 憲

松村 憲

プロセスワーカー・組織開発コーチ
大阪大学大学院(臨床心理学研究分野/修士)
個人・関係性・集団の深層心理を扱うプロセスワークを専門とし、創始者ミンデルに師事。大企業の経営幹部、リーダー層、スタートアップ経営メンバーを対象に組織開発、エグゼクティブコーチング、リーダーシップ開発、チームコーチングなどに従事している。THE COACHではfor Bizのアドバイザーとして関わる。

岡田 裕介

岡田 裕介

株式会社THE COACH 代表取締役
株式会社パーソルキャリアに入社。転職支援・採用コンサルティングに従事。その後、オルタナティブスクールを運営する教育系の一般社団法人を共同設立・副代表理事に就任。独立後は、認定プロフェッショナルコーチとして、スタートアップ企業の経営者・CxO・マネジメントクラスを中心にコーチングを提供。国際コーチング連盟認定コーチ(PCC)。

岡田 組織開発の現場に携わる松村さんから見た、リーダーシップの変遷を教えてください。

松村 高度経済成長期の日本においては、組織を強く牽引する「カリスマ型リーダー」が必要でした。しかし、現代はコンプライアンスや企業の社会的責任が重視され、「カリスマ型リーダー」が生み出してきた影の部分が色濃く映し出されるようになった時代です。

不確実性が高い現代において、多様な視点を持てるリーダーシップが模索されていると感じています。近年求められているリーダー像は、力と規律、厳しさをもって戦いに行くようなリーダーから、目的に向かってワクワク感や冒険心を持って個々のメンバーのリーダーシップを引き上げていくようなリーダーへ変化してきています。

岡田 「自律分散型組織」といわれるように、各々の個性や願いを尊重し、チームや組織として統合しながら目的地に向かっていく。その重要性と難しさを僕個人としても感じているところです。

松村 私の所感としては、ヒエラルキー型と自律分散型のどちらかではなく、ミックス型を目指す組織が多い気がしています。最初から個々人のリーダーシップ開発を行うよりも、まずは「組織がどこを目指していくのか」リーダー層がしっかりと…

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