子どもも大人も、自由になっていく。軽井沢風越学園でのコーチング実践

企業や教育現場でのコーチングの実践を通じて、その可能性を紐解く本連載。第二回は軽井沢風越学園のスタッフそしてプロコーチとして働く木村彰宏さんに、子どもと関わる際に大切にしていることを聞いた。

「つくる」を経験して“「 」になる”

岡田 裕介

岡田 裕介

株式会社THE COACH代表取締役
株式会社パーソルキャリアに入社。転職支援・採用コンサルティングに従事。その後、オルタナティブスクールを運営する教育系の一般社団法人を共同設立・副代表理事に就任。独立後は、認定プロフェッショナルコーチとして、スタートアップ企業の経営者・CxO・マネジメントクラスを中心にコーチングを提供。国際コーチング連盟認定コーチ(PCC)。

木村 彰宏

木村 彰宏

軽井沢風越学園 スタッフ
復興支援NPO職員、小学校の教師というキャリアの後、株式会社LITALICOに入社、子どもたちの発達支援や、教育に興味関心ある学生や社会人のキャリア支援に従事する。2020年4月からは、コーチングを通じて起業家や経営者をサポートする株式会社コーチェットにジョインし、トレーナー兼コーチとして活動。2021年4月から現職。その他、複業として、プロコーチとしての業務、研修・WS設計、ファシリテーション業務、キャリア教育、教員の伴走支援など多様な活動を行っている。国家資格公認心理師/国際コーチング連盟(ICF)認定 プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ(PCC)/LEGO® SERIOUS PLAY® メソッドファシリテーター。

岡田 まずは、軽井沢風越学園の特徴を教えてください。

木村 軽井沢風越学園は、2020年4月に開校しました。幼稚園と義務教育学校(小中学校)が混ざった3歳から15歳まで12年間の学びの場です。風越学園では「大人も子どもも、つくり手である」ことを軸にして、学校やクラスというコミュニティ、学び、自分、未来を自分たちでゼロからつくることを大切にしています。そんな「つくる」の試行錯誤を繰り返しながら、“「 」になる”。鉤括弧の中は空欄です。つまり、「 」に入る言葉は子どもによってさまざまで、それを子どもたち自身が決められるようになってほしいと願っています。

岡田 木村さんは2021年に風越学園のスタッフとなり、2022年度は5、6年生を担当してきたとのことですが、具体的な取り組みを教えてください。

木村 一つ具体例を挙げるとすると、風越学園には「わたつく」と呼ばれる「わたしをつくる時間」が毎日あります。どんな物事に好奇心が向くかを探りながら、自ら問いを立て学んでいく時間です。昨年度は、僕らスタッフがラーニングパートナーとして、「わたつく」の時間を使って、子どもたち1人ひとりと1on1をする機会を年に4回ほど設けてきました。

その子どもが一番リラックスできる場所を子ども自身が選んで、「現在の自分に点数をつけるとしたら何点か」「今の自分は、…

(※全文:2380文字 画像:あり)

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