VUCA時代のコーチングの可能性を紐解く本連載。第三回は、地方創生人材教育プログラム「ENGINE」のプログラムリーダー・金沢大学の佐川哲也先生に、学生がコーチングを学ぶ意義などを伺った。
佐川 哲也
金沢大学 教授
金沢大学学長補佐(産学官金連携人材育成担当)、人間社会研究域地域創造学系教授、文部科学省の大学による地方創生人材教育プログラム構築事業「地域基幹産業を再定義・創新する人材創出プログラム『ENGINE』」金沢大学企画実行委員会委員長。
岡田 裕介
株式会社THE COACH 代表取締役
株式会社パーソルキャリアに入社。転職支援・採用コンサルティングに従事。その後、オルタナティブスクールを運営する教育系の一般社団法人を共同設立・副代表理事に就任。独立後は、認定プロフェッショナルコーチとして、スタートアップ企業の経営者・CxO・マネジメントクラスを中心にコーチングを提供。国際コーチング連盟認定コーチ(PCC)。
佐川 「ENGINE」は、文部科学省の地方創生人材教育プログラムです。企業との連携を重視しており、学生たちが大学にいながら企業の皆さんと交流できる機会を創出しています。
文部科学省が2017(平成29)年に改訂した「新しい学習指導要領」では、育成すべき資質・能力の三つの柱が示されています。1つ目は「知識及び技能」、2つ目は「思考力・判断力・表現力など」、そして3つ目に「学びに向かう力、人間性など」です。
注目したいのが3つ目の「学びに向かう力、人間性など」。つまり、学びを自身の人生や地域、社会に活かすための主体性や意欲そのものが「学力」の1つとして定義されました。
「知識及び技能」を育てることは、大学が得意とするところですが、それを「どう社会や地域に活かせるか」を問いかけ「学びに向かう力」を養うためには、…