スペイン・コンプルテンセ大学 連携とデジタル化によるリカレント教育

マドリードにあるコンプルテンセ大学は、ヨーロッパ最古ともいえる歴史を持ち、スペインでもっとも権威ある学術機関とも評される。社会人向けのリカレント教育については「継続的育成教育」と呼ばれているが、どのような教育がなされているのだろうか。

社会科学や法律に需要 女性の受講者が7割を占める

──御校の継続的育成教育とは、どのようなものですか?

ホアキン・ゴヤチェ・ゴニ(Joaquin Goyache Goni)

ホアキン・ゴヤチェ・ゴニ
(Joaquin Goyache Goni)

コンプルテンセ大学 学長
1962年パンプローナ生まれ。2019年より現職。動物衛生学教授、専門は微生物学及び免疫学。European Association of Establishments for Veterinary Education, EAEVE など権威あるヨーロッパ圏内の獣医学部関連協会や機関の委員を歴任。自身の最近の研究は野生動物由来の感染症とそのワクチンについて

継続的育成教育と呼ばれているものは、「人生を通じて知識を習得、改善、専門化すること。個人、市民、社会の一員として職に関わってゆくための教育」(EU 議会、フェイラの進言2000年)という理解がされています。この理解に基づいて、1999年頃から欧州高等教育圏において、こうした教育の必要性が検討され会合が重ねられてきました。スペインでは、国内大学が2010年に継続的育成教育に関する大規模な報告書を作成、本学では2018年、「セントロ・デ・フォルシオン・ペルマネンテ」文書によって組織的に制定するに至ります。

本学で受講できる継続的育成教育は、ある一定の職業を始める…

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