一人ひとりに合った出口戦略を 大学受験と中学3年間に必要な学び
本連載は、公立高校の英語教員から米国の大学院に留学、帰国後に教育事業を起業した筆者が、各分野の識者との対談を通じて「世界に通用する英語」の学び方、「グローバル教育」の在り方などを探る。第5回は、受験評論家の伊藤滉一郎氏に話を聞いた。
偏差値の高い大学に入れば安泰――かつてはそう信じられてきました。
しかし今、学歴の意味は大きく変わろうとしています。総合型選抜の拡大や社会の評価軸の多様化により、「大学合格=ゴール」という時代は終わり、学歴の価値は“出口戦略”によって決まる時代に入りました。
本稿では、受験評論家の伊藤滉一郎氏に、大学受験の新潮流と中学段階の学びの重要性について話を聞きました。
就職市場で変わる学歴観
成長や実力が問われる時代に
伊藤 滉一郎
受験評論家/じゅそうけん合同会社 代表
1996年愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、大手金融機関に就職。2022年じゅそうけん合同会社を立ち上げ、教育機関向けの広報支援サービスを展開する。高学歴1000人以上への受験に関するインタビューや独自のリサーチで得た情報を、XやYouTube、Webメディアなどで発信している。著書に『中学受験 子どもの人生を本気で考えた受験校選び戦略』(KADOKAWA)、『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)がある。
田原 佑介
株式会社LOOPAL 代表取締役
公立高校で8年間、英語教諭として勤務。学校で5000人以上の高校生と関わるほか、NPOとして6年間活動。コロンビア大学教育大学院(Teachers College)で、スクールリーダーシップの修士号を取得。日本の若者が、国際的に通用するスキルを身につけ、理想のキャリアを実現するサポートをするために、LOOPALを起業。
田原 これまでの「学歴観」と現在の変化を、どのように見ていますか。
伊藤 かつては「いい大学に入れば一生安泰」という価値観が支配的でした。東大・早慶といったブランドは、まさに人生を保証する切符のように扱われていたのです。
(※全文:2513文字 画像:あり)
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