大阪大学総長が語る 地域に生き世界に伸びる 「共創」で研究と社会をつなぐ
「地域に生き世界に伸びる」をモットーに掲げ、地域や社会の課題と向き合いながら発展してきた大阪大学。免疫学など世界をリードする研究を推進する一方、産学連携やリカレント教育にも力を注ぐ。教育研究の特色や社会実装に向けた取り組み、今後の展望について、熊ノ郷淳総長に聞いた。
地域の要請で生まれた大阪大学
社会課題に向き合いながら発展
熊ノ郷 淳
大阪大学 総長
1966年生まれ。1991年大阪大学医学部医学科卒業。1997年大阪大学大学院医学研究科博士課程修了。1997年大阪大学助手、2003年大阪大学助教授、2006年大阪大学微生物病研究所教授。その後、免疫学フロンティア研究センター教授、大学院医学系研究科教授、副理事、大学院医学系研究科長・医学部長、総長参与などを歴任し、2025年4月に第19代大阪大学総長に就任。専門は内科学、免疫学。2025年紫綬褒章。
── 「地域に生き世界に伸びる」というモットーが生まれた背景をお聞かせください。
本学は、「大阪にも帝国大学をつくってほしい」という地元の経済界、政界、市民の熱い声で1931年に生まれた大学です。東京大学や京都大学が官の要請からできたのに対し、本学は民からの要請でできた点に大きな特徴があります。
「地域に生き世界に伸びる」は、第11代総長の山村雄一先生の時代に生まれた言葉です。本学は常に時代の地域課題に向き合ってきました。例えば創設当時、大阪では食中毒や感染症が猛威を振るっていました。そこで微生物病研究所をつくり、感染症対策やワクチン開発に取り組むと同時に、その成果を広めるために当時の大学では初のスタートアップとなる「微研財団(現在のBIKEN財団)」を設立しました。
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