キャリア・パスポートを活用して、自分の「強み」に気づくエビデンスに
高校での新学習指導要領が2022年度から年次進行で実施される。文部科学省では高校普通科の再編案が検討され、高校教育の在り方が問い直されている。普通科は今後どう変わるべきなのか。キャリア教育にはどんな可能性があるのか。筑波大学でキャリア教育を専門とする藤田晃之教授に聞いた。
「大学合格のために」学ぶ場からの脱却
──2022年度に新学習指導要領の実施を迎える高校教育ですが、高校教育の課題は何でしょうか。
藤田 晃之
日本では Society5.0(ソサエティ5.0)、世界では第4次産業革命と言われ、多少定義が違うものの、知がどんどん更新されていく、日進月歩で技術革新が起きていく、そういう時代に突入することは、世界全体として明らかな動きです。知がどんどん更新され、今持っている知識やスキルが陳腐化するスピードがどんどん速くなっていく時代。そういう流れの中に、高校教育がきちんと位置づけられていないというのが、日本における高校教育の一番の課題です。
これからの時代、データや情報を暗記していく、知識を貯めていくことは、インターネットや記憶媒体がやってくれる。そのデータの分析や専門的な活用の一部も AI に任せることができる。となれば、人間に必要なのは…
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