起業家精神を養成し、探究を促す 公立高校の多様性を生み出す教育改革
文科省が普通科高校の再編案を提案する中で、地域の学校の魅力づくり、特色づくりが大きな課題となっている。全国に先駆けて、中高一貫教育校10校への改編や IT やサイエンスなどに特化した高校づくりを進めるなど、高校改革を進めている茨城県の大井川和彦知事に話を伺った。
地域と高校教育
──茨城県の教育改革「県立高等学校改革プラン」を策定された背景についてお聞かせください。
大井川 和彦
茨城県をはじめ首都圏の外側にある地方の最重要課題は、地域経済の維持です。地域経済の維持は、社会保障などの基礎になりますが、企業誘致や医師の確保を推進する際に、壁となるのが教育です。例えば、お医者さんが「この地方では十分な教育機会が得られないのではないか」と考えて、家族を伴っての移動を躊躇される、そうした方々も多いと聞きます。ですから地方の人材を育てる教育環境をつくらないと、地方再生はそもそもあり得ないのです。
そういう文脈の中で、茨城県では「県立高等学校改革プラン」を考えてきました。コンセプトの中心は、いわゆる起業家精神といいますか、自ら主体的に行動し、課題を考えられる人材を地域の中で育成することです…
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