「送り出して終わり」にしない、地方教育のその先へ
地方教育の可能性を信じ、革新しようと現場内外で取り組む人々を追ってきた本連載。最終回では、実践者の立場から、地方で教育を受けた子どもたちが直面するリアリティに焦点を当て、地方の教育の可能性を問い直してみたい。
教育は「毛穴」から吸い込むもの
阿曽沼 陽登
株式会社コエルワ 代表取締役
北海道浜中町の牧場にて酪農業、東日本被災地での教育NPOカタリバでの活動を経て、24歳で慶應義塾大学入学。大学2年時にまちの飲食店を利用した小中高生向け学び場の運営を始める。 大学卒業後、教育事業と並行して民間企業の経営企画業務に従事、2020年から(株)あしたの寺子屋にて複数事業の責任者を務める。2023年(株)ヒナタヤ創業、2024年(株)コエルワ代表取締役CEO就任。2019年世界経済フォーラムより、U33の世界組織Global Shapersに選出された。
まず、北海道の教育環境を整理したい。現在、日本の大学進学率は約6割だが、北海道で全国平均を上回る市町村は179中わずか3つ1)。高校がひとつもない自治体も多い。いわんや大学、専門学校をや、だ。
インターネットにより都市部と地方部の情報格差は解消されたと考えられがちだが、教育におけるリアルな環境の重要性は論を俟たない。進路選択の多様性は「日常的にどんな大人と接し、どんな会話を交わし、どんな体験を得るか」、その多様性と直結する。いわば、肌で感じ、呼吸し、毛穴から無意識に吸い込む「空気(環境)」そのものが、子どもの進路観を形成する「明文化されていないカリキュラム」になっているのだ。
(※全文:2590文字 画像:あり)
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