世界も目を見張る江戸の教育熱 その源を探る
「教育熱」が爆発的に高揚した江戸時代、その源は何だったのか。先進国の外交官をも驚かせた教育の実態とは──。江戸時代から、現代の教育改革のヒントを探る。

高橋 敏
国立歴史民俗博物館・総合研究大学院大学 名誉教授
1940年静岡県下田市生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。文学博士。主として江戸時代の民衆教育史、生活文化史、博徒史など。著書に『日本民衆教育史研究』(未来社)『近世村落生活文化史序説』(同)『江戸の教育力』(ちくま新書)『近代史のなかの教育』(岩波書店)『博徒の幕末維新』(ちくま学芸文庫)近刊に『江戸のコレラ騒動』(角川ソフィア文庫)他多数。
全く無能の状態で生まれてくるヒトの赤ん坊を一人前の人間にするのは、有史以来未来永劫つづく人類の難事業である。
文明、科学の革命的進歩をもってしても合理化され、容易になることがなかったことは、昨今の悩ましき教育状況を見れば一目瞭然である。
こうしたなか近代の教育が否定、踏み台にした前近代の江戸時代の教育力が見直されてきている。
江戸時代は庶民の教育熱が爆発的に高揚した時代であったといわれる。その根底、基盤に何があったのか、その時代背景を探ることから始めよう…
(※全文:2615文字 画像:あり)
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