ウェルビーイングのためのマネジメント 人間行動の背後にある要因を理解する
CSR が提唱され、個人・組織だけでなく社会にとっても利益になる経営が求められている。各ステークホルダーにとってのウェルビーイングを実現するマネジメントについて、組織行動学の観点で解説する。
個人、組織、社会… 広がるマネジメントの範疇
鈴木 竜太
ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉である。ウェルビーイングや幸福はかなり広く曖昧なものではあるが、現在の経営学では倫理や社会的規範など、自社の組織にとって直接的に利益となるような行動をマネジメントするだけでなく、社会にとってもそこで働く個人にとっても利益になる行動をマネジメントする必要性が大きくなっている。
近年、職場での鬱や過労死などが問題になり、また倫理の側面では不正や不祥事が定期的にニュースを賑わしている。いわゆるブラック企業といったラベルを貼られてしまうことは、人材が貴重になっていく中、企業組織にとっては…
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