コロナ禍で見直される、評価制度の最適解

報酬・コスト・公平性……、評価制度に関する課題は尽きない。誰もが納得する最適な評価とはどのようなもので、それを実現するためには何が必要か。組織行動学の観点から考察する。

鈴木 竜太

鈴木 竜太

1971年生まれ。1994年神戸大学経営学部卒業。ノースカロライナ大客員研究員、静岡県立大学経営情報学部専任講師を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授。専門分野は経営組織論、組織行動論、経営管理論。著書に『組織と個人』(白桃書房、2002年:経営行動科学学会優秀研究賞)、『自律する組織人』(生産性出版、2007年)、『関わりあう職場のマネジメント』(有斐閣、2013年:日経・経済図書文化賞、組織学会高宮賞)、『経営組織論(はじめての経営学)』(東洋経済、2018年)、『組織行動̶組織の中の人間行動を探る』(有斐閣、2019年)など。

近年、センター試験の廃止に伴い、大学入試の方針ややり方についての議論が多くなされている。昨年は記述式のやり方や採点方式、出題範囲や難易度など様々なことが議論になった。なぜ、試験の方式が受験生のみならず様々な人々の気にすることとなったのだろうか。それは端的に言えば、評価のありようによってとるべき行動が異なると考えるからだ。

センター試験の例では、受験生にとってみれば、試験の方式や出題傾向が変化するのであれば、それに沿った勉強をする必要がある。また高校においては、受験での成果をあげるためのカリキュラムや指導に変えていかなければならない。また単に受験を控えた3年生のカリキュラムだけではなく、高校1年生からのカリキュラムのあり方や指導も…

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