質向上に求められる資質と認定こども園の役割とは
当連載では、保育・幼児教育者の質向上のために必要なことを探ってきた。最終回では、その「質」の定義や、今後さらなる伸展が期待される認定こども園の社会的役割に焦点を当てる。横浜市初の幼保一体型施設「ゆうゆうのもり幼保園」の渡辺英則園長に聞いた。
「遊び込む」ことを重視した、子ども主体の幼保園
渡辺 英則
施設内の吹き抜けには、スリル満点の巨大なネット遊具が張られ、屋外の広い園庭にも、想像力を掻き立てるさまざまな遊具が置かれている――。そんな今までの幼稚園・保育園の枠を超え、子どもが子どもらしく育つことを第一に考えて作られた「ゆうゆうのもり幼保園」は、2006年の認定こども園創設に先駆け、2005年に横浜市で初めての幼保一体型施設として開園し、2007年4月より認定子ども園になった。認定こども園とは、保育所と幼稚園の機能を併せ持ち、すべての子育て家庭を対象に地域の子育て支援を行う施設のことだ。
同園の開園の経緯を、渡辺英則園長はこう話す。「当時、横浜市では、待機児童対策として毎年40ほどの保育園を新設するという構想を打ち出しました。そのなかで幼稚園の機能もカバーするため...
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