質向上に求められる資質と認定こども園の役割とは

当連載では、保育・幼児教育者の質向上のために必要なことを探ってきた。最終回では、その「質」の定義や、今後さらなる伸展が期待される認定こども園の社会的役割に焦点を当てる。横浜市初の幼保一体型施設「ゆうゆうのもり幼保園」の渡辺英則園長に聞いた。

「遊び込む」ことを重視した、子ども主体の幼保園

渡辺 英則

渡辺 英則

学校法人渡辺学園 港北幼稚園 理事長兼園長、認定こども園ゆうゆうのもり幼保園 園長
早稲田大学理工学部機械工学科を卒業後、青年海外協力隊に西アフリカガーナに理数科教師として参加。帰国後、横浜市にある港北幼稚園に勤務しながら、青山学院大学大学院博士前期課程を修了。関東学院大学、國學院大学、田園調布学園大学大学院の非常勤講師。日本保育学会評議員、中央教育審議会(初等中等教育分科会教育課程部会認定こども園教育専門部会)委員。文部科学省幼稚園教育理解推進事業(中央協議会)講師。認定子ども園連絡協議会副会長。

施設内の吹き抜けには、スリル満点の巨大なネット遊具が張られ、屋外の広い園庭にも、想像力を掻き立てるさまざまな遊具が置かれている――。そんな今までの幼稚園・保育園の枠を超え、子どもが子どもらしく育つことを第一に考えて作られた「ゆうゆうのもり幼保園」は、2006年の認定こども園創設に先駆け、2005年に横浜市で初めての幼保一体型施設として開園し、2007年4月より認定子ども園になった。認定こども園とは、保育所と幼稚園の機能を併せ持ち、すべての子育て家庭を対象に地域の子育て支援を行う施設のことだ。

同園の開園の経緯を、渡辺英則園長はこう話す。「当時、横浜市では、待機児童対策として毎年40ほどの保育園を新設するという構想を打ち出しました。そのなかで幼稚園の機能もカバーするため...

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