認定こども園創設15年 行政の枠を越えた子ども・子育て支援
近年、幼稚園や保育所だけでなく「認定こども園」が増えている。この施設の役割や、幼児教育を取り巻く課題について、全国認定こども園連絡協議会会長で、内閣府 子ども・子育て会議の委員も務める木村義恭氏に聞いた。
教育と保育を一体的に行う認定こども園は、幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持つ施設。親が働いている・いないに関わらず、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供することと、地域における子育て支援を行うことの二つが、主な目的とされている。
かつて、都市部では待機児童が増える一方、地方では幼稚園等で定員割れが発生していた。2006年の認定こども園創設から約15年、現在では全国で8,000を超す園が設置されている。待機児童や定員割れの課題は完全には解消されていないが、改善に向かいつつある。
二重の資格取得と、人材不足への対処策
木村 義恭
2015年より、幼保連携型認定こども園で保育にあたる職員は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の2つの資格を保有することが原則とされるようになった。両方の資格を持つ人は「保育教諭」と呼ばれる。2024年度中は経過措置期間として、どちらか一方の資格を持ち一定の実務経験がある場合は、保育教諭として働くことが認められている。また、幼稚園教諭または保育士として3年かつ4,320時間以上の実務経験がある人は、試験や履修科目数が一部免除され、少ない負担でもう一方の資格を取得することができる幼保特例制度を設け、負担の軽減が図られている。
全国認定こども園連絡協議会の木村義恭会長は次のように語る。「保育や幼児教育の制度・歴史などを勉強することで…
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