公民共創の学校応援 学校と保護者のデジタル連絡ツール[AD]

理想科学工業が2021年4月に提供を開始したサービス「スクリレ」は、学校と保護者の連絡手段をデジタル化するものだ。スクリレは横浜市共創推進室から協力を得て公民共創による学校現場への実証実験を通じて、サービスをブラッシュアップしてきた。その取組を紹介する。

紙とデジタルの良さを活かした
安心で簡単な仕組みを提案

中山 伸行

中山 伸行

理想科学工業株式会社 デジタルコミュニケーション事業部長、一般社団法人 教育活動振興協会 代表理事

高速カラープリンターやデジタル印刷機など、ペーパーコミュニケーション分野で独自の製品サービスを提供する理想科学工業は、デジタルコミュニケーション分野への参入を本格化。2021年1月にはデジタルコミュニケーション事業部を設置し、4月には学校と保護者の連絡手段をデジタル化するサービス「スクリレ」を開始した。スクリレは、学校から保護者へのお便りや連絡手段のデジタル化、学校の財源不足への対応、という2つの点で学校の課題解決に貢献するサービスだ。

紙のお便りには、紛失したり外出先で見られないなどの問題があった。一方、メールでの連絡は他のメールに埋もれたり、個人情報の取り扱いに関する不安もあった。そこで、スクリレは紙とデジタルの双方の良さを活かし、さらに生徒児童と保護者の個人情報が不要で利用できるなど安心、簡単な仕組みを提案している。

また、学校の財源不足への課題には、民間の協力も得られる仕組みを新たに提案。理想科学工業デジタルコミュニケーション事業部 部長の中山伸行氏は「私たちはスクリレで、地域の学校を中心とした公民共創、地域活性化を目指します」と語る。

スクリレは、次の3つのサービスから成る(図)。第1に、学校は児童生徒に保護者宛のお便りを配布するが、保護者には届かないことがある。これに対し、「スクリレお便り」は、保護者のスマホアプリに直接、お便りを届ける。あわせて、児童生徒を通じて紙のお便りも届けられる。

図 スクリレ3つのサービス

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第2の「スクリレオプション」は学校と保護者がアプリを使い、双方向で出欠連絡や検温、個別連絡やアンケートなどの連絡ができる。第3の「スクリレポイント」は、保護者がアプリで広告を任意に閲覧するとポイントが貯まる。ポイントは、学校や参加団体(PTA)が学校の備品に交換し、保護者は学校を応援できる。スクリレポイントの事業は、中山氏が代表理事を務める一般社団法人 教育活動振興協会が運営する。

「公民共創」で実証実験を行い
デジタルでの新事業を決断

中川 悦宏

中川 悦宏

横浜市 政策局共創推進室 共創推進課、事業構想大学院大学 事業構想研究所 客員フェロー

理想科学工業は、スクリレの実証実験に先立ち、市場調査を実施した。その中で横浜市のいくつかの学校から「参加したい」という声があり、市の関係者や教育委員会に相談した。その際、窓口になったのが、市の共創推進室だった。

横浜市政策局共創推進室共創推進課の中川悦宏氏は「実証実験に向けて、私たちは市の関係部署への連携を支援しました。また、公民共創による事業の実施に向けて、公民共創の考え方や事業の組み立てに関する支援も行いました」と振り返る。事業は「公民共創事業構想サイクル」に基づいて、進められた。

中山氏によれば、このサイクルのスタート地点にある「発・着・想」の段階では、背景に「『理想』とはコミュニケーションの行き届いた『平和な社会』」という理想科学工業創業者、故・羽山昇氏の言葉があったという。羽山氏は終戦後、「教育分野は国をつくるために非常に重要」と考え、そのコミュニケーションの手段となるガリ版印刷の事業を始め、現在では印刷機器事業を世界の文教市場を中心に展開している。

そしてスクリレを企画した目的は学校の財源に対する支援だった。

「財源が潤沢でなければ、子どもたちの教育も教職員の働き方改革もできません。そこで広告を使えば、財源確保で学校の教育活動を支援できると考えました」(中山氏)

横浜市の協力を得て行った実証実験は2年にわたるもので、1年目は紙のお便りに広告を入れるモデルで実施した。「まずはお便りに広告枠があると世間の印象はどうなるかということの検証を開始しました」(中川氏)

実証実験を進めるうちに、紙のお便りは、保護者に届きにくいこともわかった。

「当初は紙のお便りに広告を印刷する計画でした。しかし、実証実験を通じて、紙を残したいというのは当社の都合で、デジタル化で世の中が便利になるなら、その手段で新事業を創出すべきと考えるようになりました」(中山氏)

「デジタル化することで教職員の印刷作業が削減され、働き方改革にも寄与することが実証できました」(中川氏)

家庭で学校の話題が増えたり
忘れ物が減る副次的効果も

実証実験は、2019年度と2020年度に横浜市とつくば市の参加希望校で実施、9校(小・中学校、小中一貫校)の計6,382家庭が参加。スクリレのアプリ利用は5,392家庭の8,645人だった。約2か月間の広告掲載で、各学校は16,000~46,000円相当のポイントを獲得、非接触式電子体温計や図書、体育用具などの備品に交換した。

保護者へのアンケートでは、「アプリを登録した理由」は「お便り配信が良い」(42%)、「お便り配信とポイント活動の両方が良い」(38%)といった回答が多くを占めた。また、「アプリでお便りを見たか」という質問では、「毎回見ている」人が全体の72%に上った。さらに、「外出先でも見られる」、「子どもを介さず見逃しがない」点が、特に好評だった。先生からは「従来の仕組みよりも手間と時間が大幅に削減された」という声が寄せられた。また、家庭内で学校に関する話題が増えたり、子どもの忘れ物が減ったという副次的な効果も見られた。

「スクリレお便り」のサービスは今年4月にスタートしたが、「スクリレポイント」の開始はこれからだ。

「学校、自治体、広告主、広告代理店のような方々とパートナーシップを組む上でも、教育活動振興協会を母体とした事業運営は肝心だと思います。市民(社会・地域)、行政、民間がWIN-WIN-WINであるかを忘れずに進めていきます」(中山氏)

【お問い合わせ】

理想科学工業株式会社
一般社団法人 教育活動振興協会
Web : https://www.sukurire.jp/

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