概念としての相関、指標としての相関係数 背景にある情報を読み取る
さまざまある統計学の概念のなかでも広く認知されている「相関」の概念。ビジネスの現場でも相関係数などが提示されることがあるが、それだけでは情報が欠落している。相関係数の背景にある情報を読み取り、指標として活用する利点を解説する。
相関・散布図・相関係数
倉田 博史
相関という概念は、既にビジネスにおいて広く認知されている。統計学の概念としては、平均値の次に知られた存在と言ってよいだろう。例えば、A社とB社の直近30日分の株価(終値)が図1(散布図という)のようであったとする。A社の株価が高くなるに従って、B社の株価も高くなる傾向のあることが観察される。この関係を正の相関と言う。負の相関とはこの逆であり、一方の値が大きくなるに従って、他方の値が総じて小さくなるような関係を指す。どちらの傾向も見られないとき、両者は無相関であると言う。正確には、相関とは直線的関係のことである。直線的関係が顕著になればなるほど相関は強いという。相関が最も強い状態は、全ての点が直線上に乗っているときであり、これを完全な相関と言う。
相関係数とは相関の度合いを数値で表したものである。相関係数の読み方は大変シンプルであり…
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