概念としての相関、指標としての相関係数 背景にある情報を読み取る

さまざまある統計学の概念のなかでも広く認知されている「相関」の概念。ビジネスの現場でも相関係数などが提示されることがあるが、それだけでは情報が欠落している。相関係数の背景にある情報を読み取り、指標として活用する利点を解説する。

相関・散布図・相関係数


倉田 博史

倉田 博史

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 教授。
1996年一橋大学大学院経済学研究科理論経済学及び統計学専攻博士後期課程修了、博士(経済学)。山口大学経済学部助教授を経て現職。専門は統計学。著書に"Generalized Least Squares"(John Wiley and Sons)、「大学4年間の統計学を10時間でざっと学べる」(KADOKAWA)など。

相関という概念は、既にビジネスにおいて広く認知されている。統計学の概念としては、平均値の次に知られた存在と言ってよいだろう。例えば、A社とB社の直近30日分の株価(終値)が図1(散布図という)のようであったとする。A社の株価が高くなるに従って、B社の株価も高くなる傾向のあることが観察される。この関係を正の相関と言う。負の相関とはこの逆であり、一方の値が大きくなるに従って、他方の値が総じて小さくなるような関係を指す。どちらの傾向も見られないとき、両者は無相関であると言う。正確には、相関とは直線的関係のことである。直線的関係が顕著になればなるほど相関は強いという。相関が最も強い状態は、全ての点が直線上に乗っているときであり、これを完全な相関と言う。

相関係数とは相関の度合いを数値で表したものである。相関係数の読み方は大変シンプルであり…

(※全文:2207文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。