XでYを説明する 回帰直線 「回帰直線」が意味するものとは?
散布図では、2つの変数の間での相関の有無をみることができる。相関のある散布図で、データに最もよく当てはまるよう引いた直線が回帰直線である。今回はこの回帰直線が示すものは何か、そこから何が読み取れるのか、身近なテーマを例に解説する。
直線でデータを
整理・要約するとは?
図1をご覧頂きたい。左側の図は散布図であり、それを見れば2つの変数の間に中程度の正の相関があることが分かる。また、右側の図はその散布図に直線を重ね書きしたものである。この直線はデータに最もよく当てはまっている直線であり、回帰直線と呼ばれる。直線を使ってデータを整理・要約するとどのような情報が得られるのか。それが今日のテーマである。
倉田 博史
ご存じの通り、直線は一般にY=a+bXという形で表される。aを切片、bを傾きと言う。傾きbの性質として重要なものは、
(1)bの値が正ならば直線は右上がり、負ならば右下がりとなること、
(2)Xの値が1だけ増えるとYの値はbだけ変化すること、
の2つである。例えば、Y=2+3Xは切片が2、傾きが3の直線である。正の傾きを持っているから右上がりの直線であり、Xが1だけ増えるとYの値は3だけ増える(例えば、X=1のときはY=2+3×1=5、X=2のときはY=2+3×2=8であり、8-5=3だけ増えている)。
データを直線で整理・要約する際にまず決めなければならないのは、…
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