教育DX、形の進歩と心への対応 だれも取り残されない教育の実現のために

デジタル技術活用のイノベーションは、小売業の世界では一歩先んじているが単に「形の進歩」だけではうまく行かないことが多い。そこに必要なのは「心への対応」である。小売業の観点から両者が車の両輪であることを解説し、教育事業にも当てはまることを説明したい。

コロナ禍による、大学の強制 Online 授業化

上田 隆穂

上田 隆穂

学習院大学経済学部教授。博士(経営学)。
1953年三重県生まれ。東京大学経済学部卒業後、(株)東燃を経て一橋大学大学院に進み、86年学習院大学へ。近著に『生活者視点で変わる小売業の未来 ~希望が買う気を呼び起こす商圏マネジメントの重要性~ 』(単著、宣伝会議 2016)。石川県能登町「地域振興総合アドバイザー」、岐阜県恵那市「観光協会顧問」公益財団法人日本醸造協会評議員

新型コロナも少しは終息し、本格的流行期であろう冬まで一息つけるとの予想も外れ、東京においても日々数百人感染する状況が続き、筆者が勤務する大学も後期においても、相変わらず Online 授業が中心となるそうである。1年間サバティカル(研究に専念で授業・学務はなし)の身にとっては肩身が狭いが、来年の授業を心配せざるを得ない。

このコロナ禍以前には Online 授業は正式に認められておらず、ハワイにでも行って、そこから授業をしようものならペナルティものだった。この4月からは天と地がひっくり返ったように授業は Online となり、教員は個々に…

(※全文:2340文字 画像:あり)

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