学ぶべきときはいつか? 「大学」という学びの場の可能性を考える
18〜20歳前後で大学に入学する学生の学びに対する意欲には大きなばらつきがある。社会に出てから学びの重要性がわかることも多いが、学びたいときに学べるだけでなく、未知との出会いの場でもある大学をより開いていくにはどうすればよいのだろうか。
松村 圭一郎
4月から対面とオンラインとのハイブリッドではじめた講義は、回を重ねるごとに少しずつオンライン参加者が増えた。せっかく大学に入ったのだから、キャンパスに通って教室で授業を受けたい。そうした思いがある一方で、朝起きて着替えて、教室まで体を運ぶことは、やはりめんどうである。オンラインでも受講できる手軽さを前に、学生たちも葛藤したようだ。
授業の最後に授業形式について感想を書いてもらった。多くの学生が「オンラインよりも対面で受講したほうが集中して授業を聴くことができた」と書いていた。情報として授業内容を受けとるだけなら、対面でもオンラインでも変わらないように思える。だが目の前で人がこちらを見ながら話しかけてくる対面性が、聴く姿勢を引き出していることがわかる。
授業をする側としても、ひさしぶりの対面授業は新鮮だった。あらためてオンラインにはない膨大な…
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