脱学校システムの構想 新しい時代の学びの形とは

オンライン教育が急速に進んだ今、「学校に行く」ことは本当に必要なのだろうか?現に、オンライン完結の高校や、皆勤賞を廃止する学校などが現れ、学校の再定義が進んでいる。「脱学校化」について、思考実験を通して考察する。

50年前の脱学校が、テクノロジーの力で現実に

岡本 裕一朗

岡本 裕一朗

玉川大学 客員教授
1954年、福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程単位取得満期退学(哲学・倫理学)。博士(文学)。玉川大学名誉教授。哲学の諸問題を、幅広い観点から領域横断的に研究している。思考実験を使った哲学入門書として、2019年発行の『哲学の世界へようこそ。』(ポプラ社)、また近著として『哲学と人類』(文藝春秋社)など。

1970年代の初め、イヴァン・イリッチが『脱学校の社会』を世に問うたとき、その大胆な問題提起によって、人々がはじめて目を覚ますことになった。学校は子どもの教育にとって、はたして優れた場所なのだろうか。いじめ、不登校、学級崩壊、パワハラ、セクハラ、…。問題を挙げていけば、キリがない。だったら、いっそ、学校という制度を廃止してはどうだろうか。

たしかに、学校の問題点を挙げるのはすぐに思いつくし、批判すれば多くの賛同者を得るかもしれない。しかし、「学校の代わりに何があるのか?」と問い直したとき、なかなか思いつかなかった…

(※全文:2373文字 画像:あり)

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