ダイバーシティ&インクルージョン 多様性とは何か
D&I の推進が叫ばれるが、障壁も多くなかなか進まないのが現実だ。古い考えから抜け出すためには何が必要なのか、何のために D&I を推進するのか、そもそも多様性とは何か──。哲学的思考実験を通して考察する。
進まない D&I 日本社会をアップデートするために
岡本 裕一朗
かつて社会では、組織を形成するとき原則になるのは「画一性と排除」だと思われていた。共通の資格、一定の能力をもつ者だけが集団に参入でき、そうした基準を満たさなければ厳しく排除された。歴史的に見ると、こうしたシステムは近代社会に特有のもので、今日ではその終わりも見え始めている。とすれば、それに代わる新たな原理が必要なのではないか。それが「ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)」である。
はたして日本で、こうした転換はスムーズに進んでいるのだろうか。たとえば、会社の管理職や…
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