学歴社会はなぜ続く? 生身の人間よりも着飾った衣服を重視する人間を考察

学歴差別は廃止すべきという意見がありながら、なかなか社会は変わらない。家柄や家系も同様だ。学歴社会はなぜ続くのか?なぜ生身の人間よりも、着飾った衣服のようなものを重視するのか。思考実験を通して考察する。

社会は「学歴」を、どう捉えているか?

岡本 裕一朗

岡本 裕一朗

玉川大学 客員教授
1954年、福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程単位取得満期退学(哲学・倫理学)。博士(文学)。玉川大学名誉教授。哲学の諸問題を、幅広い観点から領域横断的に研究している。思考実験を使った哲学入門書として、2019年発行の『哲学の世界へようこそ。』(ポプラ社)、また近著として『哲学と人類』(文藝春秋社)など。

「学歴」といえば、新聞やテレビなどのメディアでも、その弊害がずいぶん前から指摘されてきた。学歴よりも、人物そのものを評価すべきだ、というわけである。ところが、同じメディアで、高学歴芸人や○○卒女子アナなどが、いまだに珍重されている。さらには、偏差値の高い大学名の入った番組でさえ作られる。どうなっているのだろうか、

これは、タテマエとホンネの違いなのか、それとも単なる二枚舌なのか分からない。いったい、メディアは学歴をどう考えているのだろうか。こうした状況は、メディアにかぎらず…

(※全文:2335文字 画像:あり)

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