メタ認知を活用して、効果的に知識を定着させる方法とは

詰め込み型の暗記学習が否定されるが、覚えるべきこともある。しかし子どもたちになかなか知識が定着しない…、そんな悩みを抱える教師も多いだろう。今回は、メタ認知を活用して、児童・生徒に効果的な学びを促す方法や注意点について考察する。

教えても知識が定着しない理由を、認知心理学の観点で分析

三宮 真智子

三宮 真智子

大阪大学 名誉教授、鳴門教育大学 名誉教授
大阪大学人間科学部を経て同研究科博士後期課程を1983年に単位取得満期退学。学術博士(大阪大学)。鳴門教育大学・大阪大学教授を経て現職。主な専門は認知心理学。近著に『メタ認知で<学ぶ力>を高める:認知心理学が解き明かす効果的学習法』(北大路書房 2018年)『誤解の心理学:コミュニケーションのメタ認知』(ナカニシヤ出版 2017年)がある。

「教えたことが、身についていないな」と、テストの答案を見ながらため息をつく教師の方々がいるのではないだろうか。「これはぜひ覚えておくようにと言ったのに…」と残念な思いに駆られることもあるだろう。教えたことが定着しない原因は何なのだろうか。それは、学習者にとっての「深い学び」になっていないことである。

覚えるためには、大きく分けて2つの方法がある。1つは、単純に何度も繰り返す方法、つまり機械的に反復する方法である。認知心理学では、これを「維持リハーサル」と呼ぶ。もう1つは、意味をよく考え自分なりに内容を理解する方法…

(※全文:2541文字 画像:あり)

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