メタ認知を活用した協働学習 学びの効果を高めるポイント

アクティブラーニングを実現する手法として大きな役割を果たす「協働学習」。教師も学習者も知っておくべきメリットとデメリットを整理しながら、協働によって形成されるメタ認知を活用することで学びの効果を高める方法について解説する。

アクティブラーニングとしての、効果的な協働学習とは

三宮 真智子

三宮 真智子

大阪大学 名誉教授、鳴門教育大学 名誉教授
大阪大学人間科学部を経て同研究科博士後期課程を1983年に単位取得満期退学。学術博士(大阪大学)。鳴門教育大学・大阪大学教授を経て現職。主な専門は認知心理学。近著に『メタ認知で<学ぶ力>を高める:認知心理学が解き明かす効果的学習法』(北大路書房 2018年)『誤解の心理学:コミュニケーションのメタ認知』(ナカニシヤ出版 2017年)がある。

新学習指導要領においては、「主体的・対話的で深い学び」が重視されており、これを実現するためには、受け身的な学び方ではなく、能動的なアクティブラーニングを授業に取り入れる必要がある。そこで大きな役割を果たすものが、協働学習である。協働学習の理論的背景の1つに、社会構成主義の考え方がある。旧ソビエト連邦の心理学者レフ・ヴィゴツキーによれば、人は他者との相互作用を通して能動的に知識を構成していく存在である。ここから、私たちの学びは、社会的な文脈の中でこそ効果的に生じると考えられる。

しかしながら、他者との相互作用とは言っても...

(※全文:2481文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。