自己調整学習とメタ認知で、効率的な学び直しを実現

自らの学習のあり方を調整しながら学ぶ「自己調整学習」。効率的かつ自律的な学びが求められる、大人の学びの核とも言える。メタ認知を活用した自己調整学習を実現するにはどうすればよいか、考察する。

大人の学びの核となる自己調整学習とは

三宮 真智子

三宮 真智子

大阪大学 名誉教授、鳴門教育大学 名誉教授
大阪大学人間科学部を経て同研究科博士後期課程を1983年に単位取得満期退学。学術博士(大阪大学)。鳴門教育大学・大阪大学教授を経て現職。主な専門は認知心理学。近著に『メタ認知で<学ぶ力>を高める:認知心理学が解き明かす効果的学習法』(北大路書房 2018年)『誤解の心理学:コミュニケーションのメタ認知』 (ナカニシヤ出版 2017年)がある。

学習者が自らの学習のあり方を調整しながら、能動的・主体的に学習目標の達成に向かう学習を、「自己調整学習」と呼ぶ。この自己調整学習という言葉は、教育実践の場で従来から用いられてきた自己学習や自己教育を、より具体化した概念である。自己調整学習は、近年の学校教育においても重視されているが、学校を終えてから大人が学び直しをする場合には、とりわけ重要である。学習者本人が主体的に自らの学びを方向づけ、学習の進め方やペースを自分で調整することは、効果的な学びにとって欠かせないものである。

毎日の多忙な仕事の傍ら、時間を捻出して継続的に学ぼうとする、…

(※全文:2505文字 画像:あり)

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