増殖する「繊細さん」を救え HSPの正しいマネジメント法

HSP は「繊細さん」と呼ばれて近年メディアに度々取り上げられ、話題になっている。日本人の5人に1人もいると取りざたされるが、本当にそうだろうか?学術的知見に立った対処法と、職場の HSP をマネジメントする秘訣を考察する。

増える HSP 正しく対処するために

渡部 卓

渡部 卓

帝京平成大学現代ライフ学部 教授、
ライフバランスマネジメント研究所 代表
早稲田大学政経学部卒業後、モービル石油に入社。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院で MBA を取得。2014年帝京平成大学現代ライフ学部教授に就任。様々な職場でのマネジメント実務やカウンセリング、研修講師での実経験をもとに、職場ハラスメントやメンタルヘルスの改善策を平易に解説することで定評がある。「あなたの職場の繊細君と残念な上司」(青春出版)など著書多数。

繊細さん(HSP)は良く聞く言葉になった。「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとっているが、「刺激への感受性がとても強く、それが過剰な情動反応につながり、生きづらさを感じる人たち」の意味合いだ。人口の15~20%が HSP とする論評もある。私はそこまで多くは無かろうと想定するが、それでも増えている実感はある。

たとえば学生たちからは、教員の声が大きすぎて集中できない、エアコンの音や温度が気になる、日差しが気になる、スクリーンがまぶしい、などの訴えが多くなりつつある。産業カウンセリングでの相談でも、上司の視線、同僚のオフィス内の言動…

(※全文:2354文字 画像:あり)

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