コロナ禍のメンタルヘルス対策 2つのポイント

ストレス社会において、心の健康管理は性別・年齢・役職を問わず重要な課題だ。付け焼き刃的な施策ではなく継続した取り組みが必要なため、苦慮する人事・総務担当も多いだろう。海外も含めた先進的な事例を通して、メンタルヘルス対策の今後の動向について考察する。

心の健康づくりのための、4つのケア

渡部 卓

渡部 卓

帝京平成大学現代ライフ学部 教授、
ライフバランスマネジメント研究所 代表
早稲田大学政経学部卒業後、モービル石油に入社。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院で MBA を取得。2014年帝京平成大学現代ライフ学部教授に就任。様々な職場でのマネジメント実務やカウンセリング、研修講師での実経験をもとに、職場ハラスメントやメンタルヘルスの改善策を平易に解説することで定評がある。「あなたの職場の繊細君と残念な上司」(青春出版)など著書多数。

職場メンタルヘルス対策の必要性は、コロナ禍により以前に増して高まっている。厚生労働省からは「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で基本ガイドラインが示され、メンタルヘルス対策はコンプライアンスの見地からも最重要の一つだ。このガイドラインでは職場での「心の健康づくり計画」の骨子として、以下の4つのケアが示された。
(1)セルフケア:労働者がみずから心の健康対策を行う。
(2)ラインによるケア:上司や監督者からの配慮、傾聴、声がけなど、コミュニケーション等でケアを働きかける。
(3)事業場内担当部門からのケア:産業医、衛生管理者、保健師、人事労務管理スタッフ等が…

(※全文:2244文字 画像:あり)

全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。