人工知能研究者・三宅陽一郎氏が語る 唯識とAI進化の共通点
三宅陽一郎氏は、20年以上にわたりゲームAI開発に携わり、XboxやPlayStationでキャラクターAI、メタAI、空間AIの三層構造を確立しました。現在、東京大学生産技術研究所でゲーム技術の現実空間への応用を研究中です。日本独自のエージェント文化が、AIとスマートシティ融合の時代に世界をリードする可能性を秘めると語ります。
唯識とAI進化の共通点

三宅 陽一郎
東京大学 生産技術研究所 特任教授
ゲームAI開発者
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。博士(工学、東京大学)。2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。東京大学生産技術研究所特任教授、立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授などをつとめる。
── 長年のゲーム開発経験を現実空間にどう活かそうとお考えでしょうか。
ゲーム産業で形成されたキャラクターAI、メタAI、空間AIの三層構造を現実に応用するのが基本コンセプトです。キャラクターAIは頭脳、メタAIは全体制御、空間AIは経路探索や空間のAI化。日本の特異性はゲームAIの蓄積にあり、特に空間AIは現在のAIが苦手な空間認識と物理操作をサポートします。都市が自らを管理し、ロボットで治安維持する月面都市のような構想も、メタAIの究極形です。
── 従来のアプリケーション中心社会からどのような変化が起こるのでしょうか。
(※全文:1945文字 画像:あり)
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