リモートプログラミング授業で高い学習効果と教員のスキル向上を実現[AD]

全国の小学校がプログラミング教育に不安を抱える中で、東京の経験豊富な講師と学校を繋いで実施する「リモートプログラミング授業」に注目が集まっている。7月13日に仙台白百合学園小学校で実施された授業の模様をレポートする。

地方の小学校にも、最新のプログラミング教育を

2020年度に小学校で全面実施された新学習指導要領の中でも、最も大きな変化の一つがプログラミング教育の必修化だ。主体的にコンピューターを活用する能力は VUCA 時代を生きる子どもたちの必須スキルであり、プログラミングは創造力や論理的思考力を養うためにも重要な教育である。

しかし、必修化に教育現場はまだまだ追いついていない。GIGA スクール構想の前倒しでパソコンや無線 LAN などハード面の整備は進みつつあるが、現場教員の7割以上が必修化に不安を抱えており(LINE みらい財団調査「プログラミング教育必修化に関する調査」)、指導方法や教材、評価等に悩んでいる。

特に、人的資源の限られた地方の学校ほど不安は強い。さらにコロナ禍で通常の授業にも遅れが生じている中で、プログラミング教育への対応は後回しになっている。

こうした状況を克服するため、教育コンサルのフューチャーインスティテュート、プログラミング教室を運営するアントレキッズ、インテルのハードウェアサポートのもと、「リモートプログラミング授業」の実証授業が企画された。地方の小学校に向けて、東京の経験豊富な講師陣が WEB 会議システムを使って遠隔授業を行い、質の高いプログラミング授業と学校教員のスキル向上・不安払拭を図る試みだ。

7月13日に仙台白百合学園小学校で実施されたリモートプログラミング授業の模様

7月13日に仙台白百合学園小学校で実施されたリモートプログラミング授業の模様

事前の教員レクチャーで、能力底上げと授業の魅力化を実現

今回の実証授業の参画校が宮城県の仙台白百合学園小学校だ。同校が実施を決めた背景には複数の理由がある。

まず、学校の ICT 教育環境を充実させるには学校単体では試行錯誤に限界があり、外部企業が保有しているテクノロジーや理念に触れ、コラボレーションすることが重要だと考えたこと。これによって当然、子どもたちの学習効果も上がる。また、ICT 教育を推進することで学校の魅力を高めたいという狙いもある。

白百合学園小学校の教員の多くは、コロナ禍の影響が色濃い中で、プログラミング教育の教材研究の時間が捻出できず、授業に不安を抱えていた。今回の取り組みで、教員がプログラミング教育のノウハウを吸収し、能力を底上げすることも狙った。

実施にあたって、児童用 PC としてマウスコンピューターの MousePro P116B シリーズ、その他、指導者用としては同時中継アプリやプログラムソフト起動、配信内容のスクリーンへの投影、教室全体の撮影・集音・スピーカー機能など様々な処理が求められるため、インテル® Core™ i7 8650U プロセッサー搭載の「インテル® NUC」が使用された。

授業で使用されたミニ PC のインテル® NUC(写真上段)とマウスコンピューター(写真下段)。インテル® NUCは東京と学校を Zoom により接続。その他、上記の様々な機器を1台で制御。

授業で使用されたミニ PC のインテル® NUC(写真上段)とマウスコンピューター(写真下段)。インテル® NUCは東京と学校を Zoom により接続。その他、上記の様々な機器を1台で制御。

遠隔での一斉授業では、離れた場所にいる講師が児童一人ひとりにきめ細かい対応をするには限界があり、現場でフォローする教員の役割が重要となる。そのため本番授業に先立ち、6月30日に教員への事前レクチャーを実施。アントレキッズが運営するキッズプログラミング教室の講師・太田可奈氏と教員20人を遠隔でつなぎ、2時間をかけて行った。

レクチャーでは、本番の授業で使用する Scratch を用いて、参加した教員が児童になりきり、教わる側としての不明点などを整理し、本番でどのような授業を行うべきかをアントレキッズの太田氏と議論した。

当初は猫のスプライトを動かしたのち、すぐにゲームのプログラミングを実施する予定だったが、議論を経て「初めてのプログラミング授業だから、まずは子どもたちに『楽しかった』と言ってもらいたい」という思いで教員・講師が一致。

難易度の高いゲームプログラミングの前に、Scratch のリミックス機能(講師が作ったプロジェクトをコピーし、自身のアイデアを加えて動かすこと)を使ってコーディングの基礎を学ぶ内容を追加した。

児童・教員の高い満足度

7月13日14日の本番の授業は、小学6年生各1クラス22人を対象に、5~6時間目(90分間)で実施。児童はソーシャルディスタンスを保つために体育館に机を離して並び、大画面スクリーンに講師の太田氏を映し出して遠隔授業を行った。

授業は猫のスプライトを動かす、リミックス機能を使ってコーディングの基礎を学ぶ、実際にゲームを作ってみるという3部構成で進められた。スクリーンの右脇にはポイントをまとめたスライドが教科書代わりに掲出。事前レクチャーを受講した白百合学園小学校教員2人が、分からない児童のサポートに入り、遅れが出ないよう丁寧に授業を進めていった。

実際にプログラミングに取り組んだ児童からは、「画面越しの授業でも先生の顔がしっかり見られるので、戸惑いもなく取り組めました」「プログラミング以外でも、こういった形で学校以外の先生からも学んでみたいです」といった声が上がった。

白百合学園小学校の浅沼勉教諭はリモート授業について、「簡単に校外の専門的な知見を持った方と繋がれることが魅力的ですし、色々な教科への応用も考えられます。今後は、海外の連携校とのリモート運動会の開催などを実現できたら面白いなと考えています」と語った。

高レベルな授業の実現と教員のスキルアップに繋がるリモート授業は、プログラミング教育に悩む全国の小学校にとって、有効な手段になるだろう。

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