教員向けプログラミング研修 半径1メートルから世界を変える[AD]

奈良市は全国に先駆けて今年9月、市内の全小・中学校へのタブレット端末配置を完了させた。同時にライフイズテックと協働し、ICT 教育を担う教員を養成する研修プログラムを実施している。端末配布だけに終わらせない、アフター GIGA の教育の在り方を探った。

いちばん古い奈良(まち)で、いちばん新しい教育を!

プログラミング教材「ライフイズテック レッスン」は、キャラクターが先生役となってレクチャーしてくれる

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ライフイズテックは、教員向け IT・プログラミング教育サービス「ライフイズテック レッスン for Teachers」を実施している。

これを導入する奈良市の仲川げん市長、奈良市教育委員会の北谷雅人教育長と、同社の水野雄介代表取締役 CEO、讃井康智取締役に話を聞いた。

──奈良市で導入している教員向け研修の内容をお聞かせください。

ライフイズテック水野雄介代表取締役 CEO

ライフイズテック
水野雄介代表取締役 CEO

水野:一人一台のタブレット導入が目的ではなく、導入したことで個別最適に子どもたちに学びを届けることが重要だと考えています。プログラミング教育も、プログラミング自体を学ぶことではなく、地域や身の回りの課題を解決することが目的になるでしょう。その際に、本質的なプログラミング教育を実現できる教員の養成が必要ではないかと思うのです。まず、先生がプログラミングで課題解決に取り組むことで、子どもたちも意義のある学びを得ることができる。そこで弊社では教員に向けて、子どもたちと同じく、個別最適で自分の進捗に合わせてプログラミングや IT スキルを習得できるプログラムを提供しています。

10月に4日間連続講座として、5校6名の先生にプログラムを実施しました。汎用的な IT スキルはもちろん、小学校で教えているブロックコーディングからプロが使うテキストコーディングも学び、実際にウェブサイトを作成します。さらに、地域課題を IT で解決することに挑戦し、それを授業で実際に子どもたちに教えるという取り組みをしてきました。

──奈良市はこのような取り組みを通して、どのような教員を養成しようと考えていますか?

仲川げん奈良市長

仲川げん奈良市長

仲川:テクニカルな話をしていろいろなレクチャーをするのはもちろん必要なのですが、一番重要なのは教員が興味を持って、「この可能性に自分も飛び込んでみよう」と思う、その心の準備ができるかどうかだと思います。興味さえ持てば、ライフイズテックさんの研修をきっかけに、自分で学ぶ方法はたくさんあるので、とにかく楽しいという気持ちと、可能性がどんどん広がるワクワク感を持ってもらえるかどうかが大切だと思っています。

──研修を実施して、教員はどのような様子だったのでしょうか。

ライフイズテック讃井康智取締役

ライフイズテック讃井康智取締役

讃井:先生たちにワクワクしてもらうにはどうすればいいかというポイントは、2つあると思っています。1つは先生自身が IT の消費者ではなく、生産者になるということです。プログラミングやホームページを作った経験がないために苦手意識を持っている方もいると思いますが、先生自身が手を動かして作る体験をすると、「自分にもできるな、楽しいな」と感じてもらえるようになります。

2つ目のステップは問題解決です。ウェブサイトを作る際に必ず何かしらのテーマを持って、問題解決することを前提にしているので、先生自身が問題解決の当事者になります。先生はそれぞれ思い入れのあるテーマでウェブサイトを作るので、自らが IT の生産者になり、さらに当事者として身近な課題を解決していくことで、「これだったら子どもたちにも教えられるな」と意識が大きく変化します。

IT で未来を変える子どもを育てる

──プログラミングはあくまでツールに過ぎず、地域課題解決につなげるというのが大切です。

奈良市教育委員会 北谷雅人教育長

奈良市教育委員会 北谷雅人教育長

北谷:奈良市ではこれまでも、各学校の地域の課題を探し、その解決に向けての過程を通して学ぶという取り組みをしてきました。今後は ICT のスキルを使って、学校の課題を掘り起こし、そこから地域の課題を探り、日本の課題、世界の課題へと視野を広げていくことができるというのは、有効な学習方法だと考えます。世界の人とコミュニケーションを取りながら、自分の意思や意見を持ち、生き方を自ら決定していくための非常に大事な取り組みであると思います。

──奈良市の取り組みを、他の自治体と比べてどう見ていますか?

讃井:奈良市の場合、「未来の地図を描き、自ら前へ進む力を持った子どもたちを育成する」というビジョンの存在が大きいと思います。明確な目標があるからこそ、事業者も一致して行動できるのです。

そのうえで、意思決定のスピード感はもちろんですが、地域全体でプログラミング教育をして、IT を使った問題解決をしようという理想を絵に描いた餅で終わらせず、それを支える教員の養成に注力しているのは非常に特徴的だと感じています。仲川市長としては、教員に何を期待されているのでしょうか?

仲川:先生方には、学校だけでなく社会をつくっていくという意識を持ってもらいたいと思っています。例えば学校で温暖化対策に関する授業をしても、子どもが家に帰ったらお父さんが冷蔵庫を開けっ放している、といったことがあると思います。教育は対子どもで終わるのではなく、より良い社会にしていくためのアプローチだと考えます。

──今後の構想は何でしょうか。

仲川:GIGA スクール構想で、子どもたちには大人の想像できない世界が広がっています。大人の能力の限界を子どもの限界にしないよう、行政と民間の協働を続けていきたいです。

水野:奈良県内すべての子どもたちに、IT で未来を変えていけるようになってほしいです。経済や地域の格差なく、世界に羽ばたける子どもを育てたいと考えています。

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ライフイズテック株式会社

ライフイズテック株式会社
03-5877-4879(平日 10:00~17:00)

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