企画発想法「コスモス法」 自らの小宇宙を介して宇宙の声を聴く

私たちは日々さまざまな問題や課題に遭遇して悩み、それに伴う矛盾・葛藤の中で生きている。こうした心の矛盾・葛藤の弁証法とも言える創造的思考法「コスモス法」について解説する。

生身の身体で考える技術

山浦 晴男

山浦 晴男

1948年長野県生まれ。中央大学卒業。川喜田二郎氏主宰の研究所で KJ法の研究と普及に20年間従事。その後、情報工房を設立。企業・行政・医療機関の人材育成や組織活性化、地域再生支援に携わる。現在、情報工房代表、千葉大学大学院看護学研究科特命教授、旭川医科大学大学院と山梨県立大学大学院、名桜大学大学院、健康科学大学で非常勤講師。著書に『発想の整理学 ─AI に負けない思考法』(筑摩書房)、『質的統合法入門 ─考え方と手順』(医学書院)など。

「あなたは馬鹿だ!」二人の議論が高じ口角泡を飛ばす中で、相手がこの言葉を発したら、あなたはどう反応するだろうか。人の性格にもよるが、手がでて相手を叩く人もいるだろう。「馬鹿だ!」という「言葉」に「身体」が反応して、つい手がでて叩くという「行動」をしてしまうわけだ。そこには、「言葉→身体→行動」という反応経路が存在する。しかしこの経路のままでは暴力沙汰になってしまうので、「いや、あなたこそ馬鹿だ!」と言葉で反応することとなる。つまり、「言葉→身体→言葉」という反応経路を基本原理に技術化したのが「コスモス法」である。

技法としては、すでに紹介した…

(※全文:1903文字 画像:あり)

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