AI時代の考える技術 「創造的思考法」が新しい教育をもたらす

人工知能が発達する中で、AI に負けない人材育成に注目が集まる。様々なアプローチの思考法を紹介しながら、大学教育の向かうべき方向について6回にわたって考察する。

AI(人工知能)が社会を変える

山浦 晴男

山浦 晴男

1948年長野県生まれ。中央大学卒業。川喜田二郎氏主宰の研究所で KJ法の研究と普及に20年間従事。その後、情報工房を設立。企業・行政・医療機関の人材育成や組織活性化、地域再生支援に携わる。現在、情報工房代表、千葉大学大学院看護学研究科特命教授、旭川医科大学大学院と山梨県立大学大学院、名桜大学大学院、健康科学大学で非常勤講師。著書に『発想の整理学 ─AI に負けない思考法』(筑摩書房)、『質的統合法入門 ―考え方と手順』(医学書院)など。

IT(情報技術)の進展には目を見張るものがある。AI、ビッグデータ、ロボットがその典型をなしている。この影響はわたしたちの日々の生活の現場の変化として現れ始めている。卑近な例では、通信販売が買い物の主流を占め始めている。注文はパソコンから通信を介して行い、商品が届けられると宅配業者は以前なら伝票に捺印を求めたが、今はスマホにサインを求めてくる。次にパソコンを立ち上げると、発注した商品と同じカテゴリーの広告が自動的に表示される。

この背後では、AI、ビッグデータ、ロボットが機能し、社会を変える原動力になっている。AI について調べていくと、よく目にする記述が、2015年の野村総合研究所とイギリスのオックスフォード大学の…

(※全文:1826文字 画像:あり)

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