創造的思考法「質的統合法(KJ法)」が、先の見えない時代に活きる
ディスカッションなどで無秩序に上がった情報をグループ化してまとめるために使われてきた KJ法。従来の延長線上では物事を測れない社会において、この創造的思考法が力を発揮する。
始まりは、「渾沌をして語らしめる KJ法」
山浦 晴男
1950年代初め、文化人類学者川喜田二郎氏は、フィールド調査から集めたバラバラなデータをどのようにしてまとめ論文を書くかという問題意識から出発し、「KJ法」を創案した。その意味で、渾沌をして語らしめる学問の研究方法論として始まっている。
社会には、1970年代から1980年代にかけて産業界を中心に普及した。高度成長期真っただ中、製造現場を中心とした品質管理の小集団活動の話し合いをまとめる方法として普及し、さらには、スタッフ部門や研究開発部門の創造性開発の方法として広がりは産業界にとどまらず様々な分野に及び、一世を風靡した。当時、筆者は川喜田氏とともにその普及の…
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