創造的思考法「質的統合法(KJ法)」が、先の見えない時代に活きる

ディスカッションなどで無秩序に上がった情報をグループ化してまとめるために使われてきた KJ法。従来の延長線上では物事を測れない社会において、この創造的思考法が力を発揮する。

始まりは、「渾沌をして語らしめる KJ法」

山浦 晴男

山浦 晴男

1948年長野県生まれ。中央大学卒業。川喜田二郎氏主宰の研究所で KJ法の研究と普及に20年間従事。その後、情報工房を設立。企業・行政・医療機関の人材育成や組織活性化、地域再生支援に携わる。現在、情報工房代表、千葉大学大学院看護学研究科特命教授、旭川医科大学大学院と山梨県立大学大学院、名桜大学大学院、健康科学大学で非常勤講師。著書に『発想の整理学 ─ AI に負けない思考法』(筑摩書房)、『質的統合法入門 ─考え方と手順』(医学書院)など。

1950年代初め、文化人類学者川喜田二郎氏は、フィールド調査から集めたバラバラなデータをどのようにしてまとめ論文を書くかという問題意識から出発し、「KJ法」を創案した。その意味で、渾沌をして語らしめる学問の研究方法論として始まっている。

社会には、1970年代から1980年代にかけて産業界を中心に普及した。高度成長期真っただ中、製造現場を中心とした品質管理の小集団活動の話し合いをまとめる方法として普及し、さらには、スタッフ部門や研究開発部門の創造性開発の方法として広がりは産業界にとどまらず様々な分野に及び、一世を風靡した。当時、筆者は川喜田氏とともにその普及の…

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