ニューノーマル時代の創造性を育む教育[AD]

8月4日~6日「Adobe Education Forum Online 2020」が開催。OECD の村上由美子氏による基調講演「New Nomal 現代に生きる~ Global から見た日本の人的資源」をレポート。

テクノロジーの発展が、仕事のあり方を変える

村上 由美子

村上 由美子

OECD(経済協力開発機構)東京センター所長

OECD 東京センター所長の村上由美子氏は「様々な変化は起きますが、中長期的にはテクノロジーの飛躍的な発展、世界的な市場の統合、高齢化の進展、これがグローバルで見た際のメガトレンドです」と述べる。テクノロジーの活用が進み、職場・経済・社会基盤に大きな変化を与えているという。

「テクノロジーの発展は今ある仕事に大きな変化を与えます。その1つは自動化により、今ある仕事が機械に置き換わってしまうことです」。ここで村上氏は仕事のスキル別に、どの層の仕事が機械に置き換わるのか注目する。

「置き換わるのは定型・低スキルと思われがちですが、実は最も影響を受けるのは経理や事務など、作業マニュアルが作れるようなタイプの中間スキルです。『平均的にできること』が機械に置き換わるのです」。と述べ、なるべく全員に平均的なスキルを身に着けさせることが定着しているこれまでの日本の教育のあり方に一石を投じた。

一方で、これは機械に人間の仕事が奪われるというよりも、機械にできることは機械に任せ、人間は独創力・想像力の仕事により集中できることを意味するという。これからの仕事は「いかに新しいテクノロジーを活用して、テクノロジーとの協働をしていくのか、そのための発想力を養うことが重要です」と続けた。

イノベーションの素地を養う、「創造性」重視の教育を

仕事のあり方が変化する中で、日本が世界各国の中で存在感を持ち続けるためには、イノベーション、新しいものを生み出せる力が必要だ。日本のイノベーション力は低くなったと言われて久しいが、各国のイノベーションを促進するための環境を調べた OECD の報告によれば、日本はイノベーションに必要な基本的条件が揃っているという。

「インフラ、研究開発体制、特許数、人的資源は世界でもトップクラスです。ただ、そうした優れた項目が線と線で繋がっていないのも現状です。既存の狭い枠の中だけで考えることに捉われ、新しいものを生み出す発想力が足りないのです」と指摘する。つまり、今の日本は異なる価値観に触れ、認め合う多様性やネットワークが弱いためにイノベーションが生まれにくいのだという。

だがその一方で、日本の子どもたちの学力は高く、若年失業率も低い。グローバル視点では若者にチャンスがある人材市場だとも言える。

「素材をうまく組み合わせる、繋げる社会システムがあれば大化けすると思います。日本の教育システムは総じて平均的な人間を育成するものでしたが、これからは機械に代替できないクリエイティビティ(創造性)を重視した教育で、個性豊かな人材が生まれることを期待しています」

▼初日アーカイブ動画 URL
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