高校の位置づけを改めて考える Withコロナ時代の高校教育の在り方

コロナ禍で、多くの高校で休業が長期化し、オンライン教育のニーズが急速に高まった。文科省による普通科改革も動きはじめており、高等学校の在り方が、問い直されている。都立西高等学校校長で全国高等学校長協会の萩原聡会長に、高校教育の現状や課題、目指すべき姿などを聞いた。

With コロナの時代は、With ICT で

──コロナ禍による長期の休業でオンライン教育への切替えが課題となりました。こうした現状への解決に向け、何が必要でしょうか。

萩原 聡

萩原 聡

全国高等学校長協会会長、東京都立西高等学校校長
1987年、東京都立南高等学校で数学科教員として新規採用。砧工業高等学校を経て、1999年東京都荒川区教育委員会指導室指導主事、東京都教育庁学務部高等学校教育課指導主事、指導部主任指導主事に就任。2009年、片倉高等学校校長、昭和高等学校校長、江北高等学校校長を経て2018年より現職。2019年、全国高等学校長協会会長に就任。

文部科学省は「GIGA スクール構想」を進めていますが、1人1台端末の整備は小中だけで高が入っていないという問題があります。ICT 化に関して、高校は、各都道府県の教育委員会が整備をしていかなければならず、各都道府県の財政状況に大きく影響されてしまいます。

また、ICT 化について言えば、最低限のレベルをどう設定するかがあると思いますが、例えばインターネット環境で言えば、本校は24学級ありますから、その24学級全部、ライブ配信ができるというだけの回線を持たないと、意味がないと思います。

本校では休業中、学校の ICT 化をサポートする…

(※全文:2630文字 画像:あり)

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