商工中金・関根正裕社長 社会の潮目を読むために、広報は必要な経営機能
第一勧業銀行で危機管理の広報を経験し、西武グループの再編にあたるなど、巨大組織の経営改革に尽力してきた関根正裕氏。2018年からは商工組合中央金庫(商工中金)の代表取締役社長に就任し、組織変革を先導している。健全な組織に必要な要件と管理職の心構えについて、そして広報担当者に求められる姿勢、持つべき視座について関根社長にお話を伺った。

2022年に策定した、商工中金の新たなパーパス
キーワードは「変化」
ボトムアップでパーパスを策定

関根 正裕
株式会社商工組合中央金庫 代表取締役社長
1957年生まれ、東京都江東区出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、第一勧業銀行(現・みずほフィナンシャルグループ)に入行。同行では通算約10年半にわたり広報業務に従事。2007年西武ホールディングスに入社し2008年に取締役に就任。2009年にはプリンスホテルの取締役常務執行役員に就任。西武グループにおいても担当役員として広報を所掌。2018年商工中金代表取締役社長に就任。商工中金では、危機対応業務に係る不正事案からの再生に向け「商工中金経営改革プログラム」に取り組み、組織風土改革や事業性評価を基軸とした企業変革、ビジネスモデル変革を実行。
── 2022年に新たなパーパスを制定されたと伺いました。どのような背景があったのでしょうか。
今回のパーパス策定に至った背景は、商工中金の原点までさかのぼります。私たちは日本全国47都道府県と海外5か所に拠点を持つ、中小企業専門の金融機関です。昭和恐慌で中小企業が危機的状況に陥る中、1936年に政府と組合の共同出資で設立されました。中小企業を対象に、金融の円滑化を目的として中小企業の発展に貢献するというのが出発点です。
一方で、社会環境や経済が日々激しく変化するなか、中小企業のニーズや課題は資金繰り支援にとどまらず、多様化、高度化、そして複雑化してきています。お客さまの業種・業態、地域によっても異なる課題に柔軟に対応できる体制を作っていく必要がありました。社会が急速に変化していくなか、私たちの変わらない価値は何であるのか。理想とする姿はどんなものなのか。全社員の目指すべき北極星として示したのがこの新たなパーパス「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」です。
(※全文:4050文字 画像:あり)
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