アシックス・廣田康人会長 V字回復を果たした戦略と実践
パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会に出場するTEAM JAPAN公式ウェアを展開するなど、日本を代表するスポーツブランドであるアシックス。代表取締役会長CEOを務める廣田康人氏は2018年の入社後、数々の危機に直面しながらも果敢に挑むことで打破してきた。広報の業務経験も持つ廣田氏に、今後の事業展開と広報の要点について話を聞いた。
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大きな危機に直面も
直轄プロジェクトで脱却
廣田 康人
── 社長就任から間もなく、シェア争いがあったと伺いました。
当社の売上比率の大半を占める主力商品はランニングシューズでしたが、2017年頃に業界に革命が起こりました。いわゆる「厚底革命」です。通常、選手に速く走ってもらうにはシューズそのものが軽くなければいけません。そして軽くするためには靴底を薄くするというのが当時の常識でした。そんな中でライバル企業が、靴底が厚くて軽いシューズを開発したわけです。これは物凄く大きなインパクトで、私たちはその流れに追いつくことができず、結局2021年の新年の大学駅伝大会で、シェアがゼロになってしまうという事態に陥ってしまいます。このような事態になるであろうことは、実は前もって読めていました。厚底革命の際に、いずれシェアが奪われる事態を見越して2019年に立ち上げたのが「Cプロジェクト」です。
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