働き方改革は成功したのか? 問われる「生産性」と「労働の質」

中央大学の阿部正浩教授は、働き方改革の推進により労働時間の短縮は進んだものの、生産性や労働負荷の改善は限定的だと指摘する。労働の「量」と「質」の確保、多様な働き方への対応、リスキリングの必要性など、今後の働き方改革の焦点について、阿部教授に話を聞いた。

労働時間は短縮したものの
生産性向上が大きな課題

阿部 正浩

阿部 正浩

中央大学 経済学部 教授
1966年生まれ。1990年、慶應義塾大学商学部卒業。1995年、慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得退学。博士(商学)。電力中央研究所研究員、一橋大学助教授、獨協大学教授等を経て現職。共編著に『職業の経済学』中央経済社(2017年)、『多様化する日本人の働き方――非正規・女性・高齢者の活躍の場を探る』慶應義塾大学出版会(2018年)など。

── 日本企業における働き方改革の課題をどう見ていますか。

2018年6月に働き方改革関連法が成立し、2019年4月から順次施行され、日本企業は働き方改革に取り組んできました。現状の課題はいくつかありますが、まず1つは生産性向上を実現している企業がまだまだ少ないことです。働き方改革では残業時間の削減が注目されますが、長時間労働を是正するためには生産性の向上が欠かせません。しかし現実には、それができていない企業が多いのではないでしょうか。

生産性を高めないまま労働時間だけを短縮した結果、残業代が減り所得が下がるなど、新たな課題も生まれています。そのため、「働きたい人はもっと働けるようにすべきではないか」という見直しの議論も出てきています。

(※全文:2525文字 画像:あり)

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