「働かせ方」から「働き方」へ キャリア自律を促進する改革を

働き方改革が提唱されて約10年。しかし、あらゆる人が活躍できる社会の実現に向けて、本質的な改革は道半ばであるのが実状だ。人的資本経営時代における働き方と学びの関係、そして企業が取り組むべき課題について、県立広島大学大学院の木谷宏教授に話を聞いた。

日本企業が抱える
ワーク・ライフ・バランスの課題

木谷 宏

木谷 宏

県立広島大学大学院 経営管理研究科 教授
MBA、博士(経営学)。広島県呉市出身。東京大学経済学部卒業、食品企業入社。営業職を経験し、米国ジョージ・ワシントン大学ビジネススクール留学、本社マーケティングスタッフを経て米国現地法人社長としてベンチャービジネスを設立。帰国後は人事部にて人事制度改革の任にあたり、経営企画部長を経て退職。学習院大学経済学部 特別客員教授、麗澤大学経済学部 教授を歴任し、2016年4月より現職。主な著書に『「人事管理論」再考―多様な人材が求める社会的報酬とは』生産性出版(2016年)、『人事論ノート』労働新聞社(2025年)など。

── 日本企業の働き方改革について、これまでの成果と課題をどのように見ていますか。

働き方改革の成果と現状を考えるうえで、まずはこれまでの流れを整理する必要があります。私は大きなターニングポイントとなったのは、1986年の雇用機会均等法の施行だったと思います。

かつての日本企業は、正社員の男性を中心に構成され、女性は補助的な役割でした。こうした中で雇用機会均等法は女性たちを均等に処遇することを目指し、一定の前進をもたらしました。しかし約40年が経った今でも、日本企業における女性活躍は道半ばです。女性活躍はダイバーシティマネジメントの起点であり、多様性の推進に関して日本企業は大きな課題を抱えています。

そして2007年12月、内閣府が「ワーク・ライフ・バランス憲章」を策定しました。ここから現在につながる働き方改革の流れが始まったと、私は認識しています。

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