理論で終わらず、現場で活かせるパーパスの構造と浸透の方法

日本長期信用銀行や外資系コンサルティング会社で勤務した後、国内大手事業会社の取締役を歴任した経験をもつ松田千恵子教授。パーパス策定のための理想と現実には、どのような「隙間」が存在するのか。効果を発揮するためのパーパスの構造や、浸透の方法について、話を聞いた。

パーパスに着目する企業が
増加している背景

松田 千恵子

松田 千恵子

東京都立大学大学院 経営学研究科 教授
日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業等を担当後、ムーディーズジャパン格付けアナリストを経て、コーポレイトディレクション、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンでパートナーを務める。一橋大学大学院特任教授。事業会社の社外取締役、政府等の委員を務める。東京外国語大学卒業、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)。

── 国内企業はなぜ現在パーパスに着目しているのでしょうか。

前提として、昭和と令和の今では組織の在り方が異なることがあります。昭和の時代は家族のような運命共同体の色合いが強く、学術的には「ゲマインシャフト」と呼ばれる状態に近い組織でした。それゆえにあえて「どこを目指すか」を言う必要が少なかったといえます。しかし現在では、企業組織は利益を追求するために人為的につくられた機能集団、いわゆる「ゲゼルシャフト」へと変化しています。終身雇用も崩壊して人材の流動性も高まり、入れ替わりが激しいため、同じ方向を向くための努力や目指すべき目標が必要になったのだと考えています。

(※全文:2162文字 画像:あり)

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