パーパスの実態を掴むために その歴史的変遷に着目する

日本では以前から多くの企業が策定している「経営理念」。日本ではパーパスと経営理念が混同されることが少なくない。そこで著書に『日本における経営理念の歴史的変遷』をもつ野林晴彦教授に、経営理念からパーパスへの流れと、従業員の行動変容を促す策定や浸透の方法について話を聞いた。

国内における経営理念の変遷と
パーパスが普及した背景

野林 晴彦

野林 晴彦

金沢星稜大学 経済学部経営学科 教授
慶應義塾大学大学院修了(MBA)、滋賀大学大学院修了(博士、経営学)。製薬会社で26年勤務の後、九州国際大学経済学部、北陸学院大学短期大学部勤務を経て2022年より金沢星稜大学経済学部経営学科教授。研究テーマは「経営理念、パーパス」。著書『日本における経営理念の歴史的変遷 : 経営理念からパーパスまで』(2024年、中央経済社)により、2024年度日本マネジメント学会山城賞(本賞)受賞。

── まずは日本における経営理念の歴史的変遷についてお聞かせください。

日本企業においては「パーパス≒経営理念」と認識されることがあり、経営理念の変遷について押さえておくことは重要です。国内において経営理念という概念は、江戸時代の商家の家訓に始まり、言葉自体は第二次世界大戦頃から「経済思想・経営思想」を示す言葉として誕生したと言われています。経済界に普及・拡大したのは、1956年に経済同友会の「経営者の自覚と社会的責任の実践」という決議がきっかけです。

(※全文:2086文字 画像:あり)

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