効果を発揮するパーパスのために必要な策定のポイントと考え方
パーパス経営が注目を集めるなか「形だけのメッセージ」になっていることも少なくない。従業員の行動変容を引き起こすためには何が必要なのか。『パーパス』の著者であり、前職の博報堂ではビジネスデザインディレクターとして実務に取り組んだ経験をもつ岩嵜博論教授にポイントを聞いた。
ステークホルダー全体に着目する
「大きな船」の考え方
岩嵜 博論
武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科 教授
リベラルアーツと建築・都市デザインを学んだ後、博報堂においてマーケティング、ブランディング、イノベーション、事業開発、投資などに従事。2021年より武蔵野美術大学クリエイティブイノベーション学科に着任し、ストラテジックデザイン、ビジネスデザインを専門として研究・教育活動に従事しながら、ストラテジックデザイナーとしての実務を行っている。
岩嵜博論教授は2021年には共著で『パーパス「意義化」する経済とその先』(NewsPicksパブリッシング)を上梓し、国内においては先駆的にパーパス経営の重要性を唱えてきた1人だ。
当時、パーパスに着目した理由については、次のように振り返る。
「未来のビジネスの姿に興味があり、海外のカンファレンスに参加するとパーパスという概念で議論されることが多々ありました。日本にはまだその考え方が浸透していなかったので、研究して紹介しようと考えました」
岩嵜教授はパーパスについて「企業や組織における社会的な存在意義」と定義するとともに、「大きな船」と「小さな船」という独自の着眼点により解説している。小さな船に乗るのは従業員を含む自社のリソースのみであり、そこから考えられたパーパスは必然的に従業員向けになる。一方で、大きな船は、取引先や顧客など自社を取り巻くステークホルダーを乗せ、その全体で「共にあるべき世界」を目指すことが重視される。
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