リカレント教育と人的資本投資の関係

本連載では、リカレント教育の意義や効果を「費用対効果」の観点から考えてきた。最終回では、生涯学習やリカレント教育の重要な要素として考えられている人的資本投資との相互の影響や、可能性について検討したい。

私たちの生きる社会は、知識と技術の急速な進歩によって変化し続けている。このような社会状況下では、個人や企業が競争力を維持するためには、生涯を通じて学びを持続させる重要性がますます高まっている。

近年、注目される人的資本投資は、このような生涯学習やリカレント教育の重要な要素として考えられている。本稿では、リカレント教育と人的資本投資の関係について、その定義、意義、相互の影響と可能性について検討する。

リカレント教育の定義と意義

川山 竜二

川山 竜二

専攻は知識社会学、高等教育・大学論。
筑波大学人文社会科学研究科修了。
筑波大学ティーチング・フェロー(TF)、リサーチ・フェロー(RF)を経て、現職。事業構想大学院大学客員教授、武蔵野大学法学研究科客員教授。専門職大学等創設プロジェクト研究、実務家教員、リカレント教育等に関する公職を歴任。

リカレント教育は、個人がキャリアの途中で獲得した知識やスキルを更新・向上させるための教育活動などリスキリングの概念を包摂したものと考えることができる。現代の労働市場では、技術や業界の変化が速く、従来のスキルだけでは対応することができない。

リカレント教育は、個人が適応力を高め、変化に対応できるよう支援する役割を果たす。また、経済全体の競争力向上にも寄与する。リカレント教育は、個人が適応力を高め、変化に対応できるよう支援する役割を果たす。また、経済全体の競争力向上にも寄与する。リカレント教育は、個人の雇用可能性を向上させ、労働力の生産性を高めることで、持続可能な経済成長を促進する役割も担っている。…

(※全文:2447文字 画像:あり)

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