大型提示装置を校内放送や研修にも 新たなコミュニケーションツール[AD]

兵庫県芦屋市内の小中学校では、2021年1月末までに1人1台端末の配置が完了し、同じタイミングでソニーの4K大型提示装置を導入した。授業でデジタル教科書などを提示することはもちろん、校内放送や教員研修にも活用している。今後考えうる活用法も含め、事例を追った。

新年度から順調な端末利用 ゲーム要素で低学年も楽しく

大林 亮

大林 亮

芦屋市 教育委員会 学校教育部
打出教育文化センター

2021年度から、市内すべての小中学校で1人1台端末の本格運用を始めた兵庫県芦屋市。市教育委員会で3年間、情報担当として ICT 整備に尽力し、今年度からは教員研修に携わっている大林亮氏はこう語る。

「生徒の端末は iPad を導入しました。授業ではデジタル教科書やドリル教材を活用していますが、とくに低学年ではゲーミフィケーションの要素を採り入れた教育アプリが、たし算・かけ算などを楽しく教えられると先生方から好評です。今後、どんな教材を選びいかに活用していくかを、学校教育課と連携しながら進めているところです」

校内放送が現代版の学級新聞に 広がる活用の可能性

これまで使っていたプラズマテレビは、2010年度のスクール・ニューディール構想のタイミングで購入したもの。老朽化による故障が増えたうえ、教育用端末として各教室に配置されていたパソコンと接続して、DVD 教材やインターネット上の画面を見せる程度しか活用できていなかった。

買い替えを検討する中で画面が暗い、窓から入る太陽光の反射で見えにくい、といった課題をクリアするソニーの大型提示装置が選ばれた。

「従来の50V型から一回り大きい55V型になったこともありますが、それ以上に視認性の高さがズバ抜けていました。以前は、授業の度に、テレビ画面がよく見える位置に子どもたちを集めていたのですが、コロナ禍で密になってはいけませんから、教室のどこからでも見やすいことは必須条件です。子どもたちの席の位置に関わらず問題なく見えているようで安心しています」

さらに、実際に運用してみることで、ブラビアの拡張性に新たな可能性を感じる教員も多いようだ。指導用デジタル教科書を映し出してクラス全員がひとつの画面を見ながら学ぶことはもちろん、パソコンをブラビアに接続し、カメラを併用してインターネットに接続すれば、遠隔授業など双方向のコミュニケーションを手間なく始めることができる。

「教員が授業に出られなくなったとき、ビデオ会議システムを使って教員の自宅から自習計画の指示をした例がありました。iPad には学習支援ソフトもプリインストールされているので、急な自習学習への切り替えにも対応できます。不登校や別室登校の児童・生徒に対してビデオカメラの映像を通して働きかけできる可能性もありますし、対面授業とバランスよく組み合わせていきたいところです。さらにこうしたノウハウを応用すれば、今まで高額な機材を揃えて放送室から放送委員と校長先生が挨拶をしていたような校内放送が、コストや手間を抑えて各教室からクラスの様子を伝えるような形態に変わっていくかもしれません」

ブラビアの美しい画像であれば、教員の指導や指示が伝わりやすいというだけでなく、生き生きとした子どもたちの様子や場のムードなどをシェアすることも期待できる。いわば現代版の学級新聞のような形で、校内での交流や学校同士の連携を促すツールとして、授業以外のシーンでも活用が進みそうだ。

クラス全員がビデオ会議システムで接続しても、一人ひとりの表情が確認できる。

クラス全員がビデオ会議システムで接続しても、一人ひとりの表情が確認できる。

インターネット活用で、食育や社会科見学も様変わり

また、2021年11月10日に市制施行80周年を迎える芦屋市では、記念事業のひとつとして映画「あしやのきゅうしょく」の撮影を進めている。2017年に出版した「芦屋の給食:オシャレな街のおいしい献立」をベースに、栄養士の仕事ぶり、給食に使われている地元産の食材、食育の考え方などが盛り込まれた映像コンテンツになる予定だ。

「児童・生徒に五感を使って味わう大切さを伝えるとともに、食への正しい理解と高い関心を育むことを目的に、市内に店をかまえるシェフを講師に招いて体験型学習『味覚の一週間®』を実施しています。給食の様子を iPad で撮影してブラビアで映した学校があったのですが、画質が非常によかったと聞いています。コロナ禍で、机を寄せ合って顔を見ながら食べる形から、全員が前を向いて黙々と食べる給食の時間が続いていますが、少しでも美味しさや楽しさが増すように、大型提示装置を使って工夫できると良いと考えています」

多様な可能性を秘めている大型提示装置を用いた ICT 教育だが、この1年で端末整備が急激に進んだことに比べると、教材に関してはまだまだ発展途上といったところだ。

「デジタル教科書は、今年度予算の中で何校かに数教科が採用されることになっていますが、教科書会社ごとにプラットフォームが統一されておらず、使いにくいのが難点だと感じています。クラウド対応しておらず端末にデータをインストールしなければならなかったり、教科書の補助教材が DVD で提供されることが多くタブレット端末での利用に向かなかったり、といった課題があります」

一方、オンラインを活用したアイデアは尽きない。

「AndroidTV機能搭載のブラビアは、インターネットとの接続も簡単ですから、映像をはじめとしたオンラインコンテンツも必要なときにすぐ提示できます。たとえば、オフラインの社会科見学が催行できなかったとしても、インターネット越しに兵庫県下の農家さんのお話をうかがうなど、こちらから情報を取りにいくことができそうです。同じ県下のコメ農家さんでも、北部と南部では生育環境がどれほど異なるか?風習にも違いがあるか?といった問いかけから、深い学びができるのではないかと思います」

芦屋市に限らず、「社会とつながる」「多様性を育む」ことは、これからの教育にとって重要なキーワードだ。アクティブ・ラーニングを取り入れていくうえで、デジタル端末やインターネットをどう活用するかは大きな鍵を握るだろう。

当然、教員向けの ICT 研修の重要度も高まるばかりだが、芦屋市では教員にタブレットを支給してから5年ほど経っているため、教員同士の支援や事例をシェアし合う素地ができつつあるという。

「密を避けながら音楽会などを行うため、大型提示装置を置いた別室を準備するというケースもありましたが、ブラビアの色と音の美しさは圧倒的でした。現場での試行錯誤をサポートしながら、学校教育課と協力して事例をまとめ、教員向けの報告会等で公開して広く周知していきたいと考えています」

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