熟達者の経験則を言語化、「パターン・ランゲージ」は学びを誘発する
既存の確立された企業にも、イノベーション(=新価値創造)は求められているが、社内の制度を考えるときに、いくつかの大きな誤解が生じている。「新価値創造を成功させるための本質的な課題は何なのか」について解説する。
実践のコツや勘所を記述、
「型」を明示して学びを支援
井庭 崇
── 井庭先生は、様々な領域における人間行為のパターン(型)を可視化・言語化した「パターン・ランゲージ」について研究されています。パターン・ランゲージと学びや教育の関係について、どのように捉えるべきですか。
パターン・ランゲージとは、実践におけるよいやり方の本質を言語化したものです。実践にはコツや勘所があり、それを押さえることで、自分でもよい実践ができる。例えばプレゼンテーションであれば、最も伝えるべきメッセージを一つに絞り、それを核としてプレゼンを構成することが大切であり、それは「メインメッセージ」という名前のパターンになります。しかし、そのコツを知らない人はメインメッセージなどを考えずに、つい情報を羅列してしまいます。
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