島の未来を担う人づくり 「誰もが学びに出会う日常を」

瀬戸内海で2番目に大きな離島・大崎上島。この島を舞台に、「誰もが学びに出会う日常を」をビジョンに掲げ、高校魅力化プロジェクトをはじめ、多様な「学び」を創出するのが一般社団法人まなびのみなとだ。代表理事を務める取釜宏行氏に、その理念や取り組み、成果とビジョンを聞いた。

学校の外にもある「学び」
誰もが身近に出会えるように

取釜 宏行

取釜 宏行

一般社団法人まなびのみなと 代表理事
教員志望だったが、大学卒業後はベンチャー企業で武者修行。その後、2011年に広島県大崎上島町にUターン。2014年、広島県立大崎海星高校の統廃合の危機をきっかけに、魅力化コーディネーターとして魅力化PJに参画。2019年、仲間とともに一般社団法人まなびのみなとを設立。大崎上島・広島を拠点に「高校を起点とした町づくり」から「学びを起点とした持続可能な地域社会づくり」に取り組む。

──教育とまちづくりに取り組むようになった背景をお聞かせください。

子どもの頃から島に育ててもらったという気持ちが強く、「いつか島に戻って恩返しがしたい」と思っていました。両親が教員だったこともあり、私が知らないところでも、地域の人たちが「取釜先生の子ども」として気にかけてくれて、褒めてくれることも叱ってくれることもありましたので、それが大きかったですね。

学生時代には教員を志望していましたが、卒業してすぐ教員になるより、いったん別の職業を経験したほうがいいと考え、まずは就職しました。その後、2011年にUターンし、最初に立ち上げたのが「島のみんなが先生」をコンセプトにした私塾です。今では「総合的な探究の時間」が当たり前になりましたが、当時はまだ、…

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