事業承継とイノベーション 「継続性」を担保し「言語化力」で革新を生み出す
中小企業における事業承継は、大企業以上に組織への影響が大きい。ピンチとなるか、ビジネスモデルを刷新するイノベーションの好機となるかは進め方次第だ。成功に導くための「継続性」の担保や、周囲を巻き込む「言語化力」の重要性、早期の準備について玄場公規教授に話を聞いた。
大企業よりも影響が大きい
中小企業の事業承継
玄場 公規
法政大学大学院 イノベーション・マネジメント研究科
研究科長・教授
1992年、三和総合研究所入社。その後は東京大学大学院工学系研究科助手、助教授、芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科助教授、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科教授を経て、2015年より現職。
共著『事業承継支援マニュアル』を2020年に上梓し、特に中小企業における事業承継および、それに関連するイノベーション戦略に着目している玄場公規教授。大企業と中小企業における事業承継が与える影響の差異については、次のように説明する。
「大企業は経営者が経営の仕事に専念できる組織体制が整っているため、事業承継をして経営者が変わっても各部署の業務には大きな変化は起こりづらいものです。一方で、中小企業は経営者が営業や製造など経営以外の各業務に深く関わり、細かな仕事の指示を出しているケースも多々あります。中小企業の先代社長は何でもできることからスーパーマンや王様と呼ばれることもあり、その人が組織からいなくなることは大きなインパクトがあります」
影響が大きいがゆえに、事業承継によりピンチを招く中小企業があれば、イノベーションの好機とするケースもある。
「前提としてイノベーションの定義が重要です。イノベーションは日本では技術革新と訳されますが、かなり狭い定義で厳密には誤訳です。最近はより広く捉え、ビジネスモデルを刷新するだけでもイノベーションとすることが多くなり、その意味ではソリューションという解釈がなされています。つまり、顧客の課題を新しい方法で解決して喜んでもらうことがイノベーションであり、難しく捉える必要はありません」
(※全文:2240文字 画像:あり)
全文を読むには有料プランへのご登録が必要です。
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。