突発的な事業承継はネガティブな影響 実態調査から考える事業承継支援
事業承継により時代の波を掴み飛躍する企業と、バトンの受け渡しに失敗して凋落する企業には、どのような違いがあるのか。浅井教授がエヌエヌ生命保険などと実施した「事業承継に関する実態調査」では、計画性のない突発的な事業承継がネガティブな影響をもたらすことを浮き彫りにしている。
事業承継における
男女間の明確な差異
浅井 義裕
明治大学 商学部 教授
1977年、名古屋市に生まれる。2000年名古屋大学経済学部経済学科卒業後、2002年名古屋大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。2005年ニューヨーク州立大学バッファロー校(Master of Arts in Economics)、2006年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。城西大学現代政策学部助手、同助教、明治大学商学部専任講師、准教授などを経て、2021年4月より現職。2026年9月より、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校客員研究員。
調査結果から見えてきたことの1つは、事業承継における男女間の明確な差異だ。「前社長が急逝し、後継者がいなかったため」と回答した割合は男性が13.4%に対して女性は約1.7倍の22.7%に及び、女性のほうが予期せぬ突発的な要因による承継が多いことがわかった。また、「承継に伴い苦しかったこと」の質問には、「家庭との両立が難しかったこと」(女性30.3%、男性4.5%)、「意図せず、突然、社長となったこと(女性27.3%、男性13.4%)など、男女間の違いが表れた。
浅井教授が問題視するのは、経営能力とこれらが混同して捉えられる可能性だ。
「今回の調査からは、経営の能力に男女の差はないということが明らかになりました。そして、今回の調査における最大のポイントは、突然の事業承継が経営にネガティブな影響をもたらしていて、それが特に女性に起こりやすいことがわかったことです。女性は家事等の役割も多く、精神的・肉体的な負担を抱えながらの対応が求められているケースも多々あります」
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